「ベトナムのコーヒー」と聞くと、皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか?

 ベトナムを旅行されたことがある方でしたら、アルミ製のドリッパーで時間をかけて抽出する「ベトナム式コーヒー」を思い浮かべる人もいるかもしれません。

 ベトナムは、ブラジルに次いで、世界第二位のコーヒー生産国です。しかし、栽培されているコーヒーのほとんどが、インスタントコーヒーや缶コーヒーのブレンド原料として使われているロブスタ種です。そのため日本では、多くの人が口にしているにも関わらず、「これはベトナムのコーヒーだ」と意識して飲む機会はあまりないのではないでしょうか。

 このコーヒーは、ベトナム中部高原の街、プレイク産のロブスタ種に、避暑地として有名なダラット産のアラビカ種をブレンドしたものです。双方の良さを引き出して、日本人が飲みやすいコーヒーを作りました。


 ベトナムで、このコーヒーを加工販売しているのは、Congregation of the Daughters of Mary Immaculate(聖母マリアの娘会)というキリスト教の修道女会です。この修道女会では、プレイク市内に寄宿寮を作り、先住民族バナー族*の子供たちに就学の機会を提供する活動をしています。このコーヒーの販売は、その資金作りのために行われています。

 修道女会は、プレイク市内に自分たちのコーヒー農園も持っています。こちらもバナー族の子供たちに対する教育支援のためにコーヒーを栽培して、子供たちとその親たちが手伝って皆で管理しています。しかし、残念ながら一次加工の施設を持っていません。そのため、低価格でコーヒーの生果実を大きな会社に売り渡さざるを得ない状況です。将来的には、自分たちで無農薬のコーヒーを栽培して、加工販売したいと考えています。


このコーヒーに出会ったきっかけ


 私は今、農業協力の仕事でベトナムで働いています。3年前に、フエというベトナムの街で、小児がんの子供たちとその家族を支援している日本のNGO「アジア・チャイルドケア・リーグ」(Asian Children's Care League-ACCL)の活動を知りました。そして、そのACCLが協力している病院で、子供たちを治療している医師が修道女会のメンバーで、このプレイクのコーヒーを紹介してくれました。

 私は、コーヒー好きですが、ウンチクを垂れるほどのマニアというわけでもありません。しかし、このコーヒーをいただいた時、かなり好感を持ちました。豊かなコクがあり、ペーパーフィルターでドリップして、ストレートでも飲みやすく、毎日飲んでも飽きない味です。これは、日本でも十分通用するのではないか、と感じました。それで、ベトナム国内の支援者向けに作っているブレンドを、日本向けにアレンジしてもらいました。


このWebサイトとコーヒー販売の目的


 ベトナムは世界第二位のコーヒー生産国でありますが、残念ながら、ベトナムのコーヒーは知名度もなく、そのほとんどがロブスタ種ということもあり、あまり注目されることはありません。

 このサイトは、ベトナムのコーヒーについての情報を提供するとともに、ベトナムのコーヒー栽培農家さんを少しでも応援して行けたらという目的で始めました。

 また、このコーヒーの販売収益は、アジア・チャイルドケア・リーグを通じて、フエの小児がんの子供たちとその家族への支援活動に使わさせていただきます。


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